40代母からの相談。中学2年生の男の子が自宅の駐車場の真ん中に自分の自転車を置く。保育士である母が勤務を終えて車で帰宅するたびにこの自転車が邪魔なのだ。そのたびに車から降りて脇によけてから車庫入れする。そのうちに気づいてくれると思っていてもなかなか脇に置いてくれないという。どうしたらよいかという相談。
私はお父さんは不在がちで、お母さんとのコミュニケーションも取れていませんね、と確認したところ、夫は単身赴任で海外に居るとのこと。自分も一日中仕事で不在がちであると答えた。
あなたのお子さんは母にかまってもらいたがっています。お母さんのまなざしを欲しているのです、と解釈したところ、自分は仕事から帰ってきて食事を用意しては、また夜間仕事に出かけるので、子どもと接する時間などはないという。これは注意引き行動と言って、大きくなると自分に注目して欲しいなどと言えないかわりに、わざと母の目を引く行動をとること。すなわち注目して欲しいという心理状態を表わしている。宿題をやったくらいでは注目されないといった場合、子どもたちはしばしばこうした行動に出る。それでも注目してくれなかったり、注意してくれないと、行動はさらにエスカレートしますよ、と答えた。
ちゃんと注意してあげること、こうしておいてほしい、その理由はこうだと筋道を立ててこちらの要望を伝えることが大切だ。怒るのではない、冷静に対処し、こちらの考えを伝えることを提案した。
子どもたちはお母さんのまなざしの中でしか成長できないということをこの子は訴えている。目をかけ、声をかけ、声を聞いてあげることで子どもたちは人として成長していくのだ。