羨望と嫉妬
大阪城ホールの周辺は異様な光景に包まれていた。というより、彼女のファンにとっては通常の光景なのかもしれない。今日は浜崎あゆみのライヴがあるので、独特のファッションを身にまとったファンが開演のベルを待ち構えて周辺に集まっている。スターやタレントのスタイルをまねる、これこそが取り入れの最たるものである。
羨望とは、自分の持っていないものをすでに持っているという意味で憧れであり、嫉妬は自分の欲望を先取りしているという意味で攻撃性を含んでいる。ファッションをいくら取り入れても、心が満たされることは永遠にない。自分の劣等感がますますつのるばかりである。ところが、精神的なものは取り入れれば入れただけ、感性と情緒性を豊かにすることができるのだ。
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