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2012年1月の11件の記事

2012年1月28日 (土)

悩みを受け容れる

悩みを打ち明けると、打ち明けた人の気持ちは晴れますが、聞き役が悩みをもらい受けることになります。聞き役になった人は、「胸の中に、石を置かれたようだ」と報告されます。
 そういう人は、相手に同一化しやすいタイプです。自分を出さず、相手に合わせる人。
 カウンセリング理論を用いると、同情という手法を使わなくても、相手の話を聞くことができます。それを「共感」という言葉で説明しています。悲しいことも、うれしいことも、痛み、苦しみ…あらゆる感情を、相手とともに感じることができ、聞き役が悩みをもらい受ける、ということもなくなります。
 同情と違う点は、同情が相手になりきってしまうことであるのに対して、共感は並んで感じること。この違いは距離的には数十センチしか違いませんが、精神的にはまったく異なる接し方です。
 反対に、聞き役の方が、「私も同じ悩みです」などと切り返してきた場合は、聞き手は、同情も共感もしていないことになります。これでは、話し手の心情は伝わりません。
 同情してあげることで、話し手は癒されますが、これでは客観的に眺めることができなくなってしまいます。この苦境を、どう乗り越えていったらよいかを考える余裕はなくなります。
 日本ではまだ一般的ではない精神分析ですが、その技法を用いることによって、悩みを打ち明け、一人でも多くの人が幸せになっていただきたいと願っています。

2012年1月27日 (金)

片づけ

子どもたちの片付けは、命令せずに親御さんが一緒に片づけてあげましょう。それも、楽しそうにすることが大切です。すると、お母さんと一緒にすることは楽しい、片づけることは楽しい、に変換されていく。子どもはお母さんのまねをしながら学習しているのです。こうして、模倣する気持ちを、子どもの中から引き出してあげましょう。そうするとおのずから真似したくなる。「僕にもやらせて!」と言い始めます。そうしたら「ありがとう、一緒にやると楽しいね」と、感謝の気持ちを表しましょう。教えることではなく、よきモデルとしてやって見せることなのです。

2012年1月26日 (木)

サインを読み取る

  心の発達という言葉があります。「親はなくても子は育つ」といいいますが、体は年月とともに育ちますが、心は。簡単には育ちません。人が育てない限り育つことはありません。
 心を発達させるには、子どもの話を聞いてあげることが大切です。子どもたちはいろいろなことを言いますが、とにかく話につきあうことです。話が横道にそれたり、スポーツ選手になると言ったと思ったら、宇宙に行くと言ったり、その時の夢や希望を次々語ります。子どもたちは頭の中で試行錯誤しつつ、自分の生きる道を必死に模索しているのです。それらを、否定せずに聞いてあげることこそが愛です。自分の話を聞いてくれた経験は、将来、配慮性、絆をつくる、といった、相手への思いやりの心を育てることになるのです。

 

 

 

2012年1月19日 (木)

精神分析と解説

セラピーでは、相談者の語りを傾聴することが鉄則だ。不登校の子の語りにひたすら耳を傾け、分析していく。その中で見えてくるものがあるのだ。ちょうど、音楽や美術の解説と同じことが言える。芸術に解釈は不要だ、という考えもあるが、解釈が加わると、美に対する理解は一段と深まる。
 「題名のない音楽会」でベートーベンの第九についての解説があった。精神分析と一緒である。番組では、第九の素晴らしさを訴えているのではない。視聴者が解説を耳にすることによって、その音楽をもう一度聞いてみよう、という気持ちにさせてくれるのだ。これこそ分析だ。セラピーでも、不登校を何とかしよう、何とか行かせよう、などと、こちらは考えたりはしない。ただひたすら彼の語りを聞いて、解釈していくだけである。それだけで、不登校の子が勝手に変わって、学校に行き始めるのだ。彼の中で何かが動いたのである。
熊谷カルチャーセンター(イオン熊谷店3階)において、2月12日(日)から(無料体験講座は1月22日(日))「心理カウンセラー養成講座」が開講されます。くわしくは、熊谷カルチャセンター(イオン熊谷店3階)電話048-599-0322(代)までお問い合わせください。
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http://culture.gr.jp

2012年1月17日 (火)

対話

人間は対話することによって、活き活きとする。対話によって、自分というものを冷静に見ることができるからだ。自問自答しているだけでは、堂々巡りしているだけで、話はいつも振り出しに戻ってしまう。
 ここに、一人の他者が現れて、自分の話を聞いてくれたとしよう。相手は、自分の言葉を否定することなく繰り返してくれる。その瞬間、自分の考えが明らかになるのだ。相手が自分の鏡になってくれることによって、自分の姿が浮かび上がるのだ。もしも、自分の考えを自分で批評できる人がいたとしたら、言っている自分と、批評している自分が、同じ人の肉体に宿っていることになってしまう。
 自分の考えを否定することなく、対話相手になってくれる人が一人でも身近にいたとしたら、その人にとっては、幸せなことと言わなければならない。
熊谷カルチャーセンター(イオン熊谷店3階)において、2月12日(日)から(無料体験講座は1月22日(日))「心理カウンセラー養成講座」が開講されます。くわしくは、熊谷カルチャセンター(イオン熊谷店3階)電話048-599-0322(代)までお問い合わせください。
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2012年1月15日 (日)

父の役割

父の役割は、母のそれとは違う。母は世話をし、父は社会のルールを教える。父の教えによって、子どもは社会に進出していくことができる。家に帰った子を、母が温かく世話をする。十分にいやされた後に、再び社会に出ていくことができる。
 父は、疲れて帰ってきても、子どもとの会話は欠かせない。社会でも顔と、家庭での父の両方を演じなけれならない。父が見本を示すことによって、社会にはルールが存在し、それに従えば、社会も自分も活躍できることを子どもは学ぶ。その指導は、言葉によってなされなければならない。腕力や、強制という手段は厳しく制限されるべきだ。
 シングルマザーの場合でも、母は世話に徹することだ。母が、父の役割までもつとめてしまうと、子どもは、優しい母と、厳しい母との区別がつかなくなって、混乱してしまうからだ。社会でも、演劇でも役割は重要である。
熊谷カルチャーセンター(イオン熊谷店3階)において、2月12日(日)から(無料体験講座は1月22日(日))「心理カウンセラー養成講座」が開講されます。くわしくは、熊谷カルチャセンター(イオン熊谷店3階)電話048-599-0322(代)までお問い合わせください。
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2012年1月14日 (土)

食は母

「食は母」と言われている。我が子のために、と思えば、おいしい食事をつくって食べさせたいと思うが自然だ。それが愛着である。クライエントの中には、母の食事のレシピを一つも思い出せない、と言う例があった。食事がまずいのが原因ではなく、おいしい食事をつくる気が母にはなかったのだ。その母は、彼を義務で産んだだけであって、我が子に愛着を感じない人だったのだ。彼は、30歳過ぎてからうつ病を患って当研究所に来訪された。
 「一つぐらいレシピを思い出せませんか?」の問いに、「枝豆、納豆、そうめんくらいですかね・・・これって料理とは言えないですよね」と述懐いしていた。やはり「食は母」は正しいことが証明された例であった。
熊谷カルチャーセンター(イオン熊谷店3階)において、2月12日(日)から(無料体験講座は1月22日(日))「心理カウンセラー養成講座」が開講されます。くわしくは、熊谷カルチャセンター(イオン熊谷店3階)電話048-599-0322(代)までお問い合わせください。
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2012年1月13日 (金)

声がけ

幼い子どもたちは、母に向かって「わたしのこと、好き?」と聞く。「好きよ」と母親は返す。何度も同じ会話が繰り返されるたびに、母親は子どもの顔を見ながら「好きよ」と言う。子どもたちはなぜ何度も同じ言葉を要求するのだろうか。それは「好き」という心は、「好き」という言葉を聞いた瞬間に、消え去ってしまうからだ。そんなはかない幻の中で、子どもたちは暮らしているのだ。それに十分こたえてあげることによって、子どもたちの心の中に「自分はここにいていいのだ」という言葉は内在化されていく。
 恋人たちが、幾度となく「私のことを愛している?」と聞くのは、「愛」などというものがいかにはかないものであることであるかを示しているのだ。
熊谷カルチャーセンター(イオン熊谷店3階)において、2月12日(日)から(無料体験講座は1月22日(日))「心理カウンセラー養成講座」が開講されます。くわしくは、熊谷カルチャセンター(イオン熊谷店3階)電話048-599-0322(代)までお問い合わせください。
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2012年1月12日 (木)

日本ラカン精神分析学会

日本ラカン精神分析学会のホームページは下記の通りです。

nihonrakanseisin.jimdofree.com

    人の悩みは、聞いてもらうだけで消えていく。話を聞いてもらうだけで、幸せになっていくのだ。仕事、恋愛、家庭、しつけ、将来の夢・・・さまざまな悩みを抱えて、人は「誰かに聞いてもらいたい」と思っている。知り合いに話しても、ぜいたくだ、誰にも悩みはある、自分で考えることだ、などと言われてしまうのことを知っているので、悩みは堂々巡りを始める。

 公共の相談所に行ってはみたものの、今ひとつ満たされるものがない。そうした人たちが、相談に来た結果、心から満足し、じっくり悩みを聞いてもらうことができ、生きる希望を抱けるような施設や人材を育成したいと思い、日本ラカン精神分析学会を設立した。当学会は、そうした悩み全般に答えるための臨床、研究、人材育成のための組織である。人に幸せを与えたいと願っている方は是非参加されることを念願している。
●日本ラカン精神分析学会●

会 長:最上高樹

所在地:〒360-0847 埼玉県熊谷市筑波2-105YK第2ビル2・3階竹田精神科学研究所内

携 帯:090-7261-5001
入会金:無料
年会費:無料

◇活動内容
スーパービジョンによる、症例相談
心理カウンセラー養成講座の講師派遣

子育て相談会等への相談員の派遣


最上高樹を講師として、熊谷カルチャーセンター(イオン熊谷店3階)はじめ、高崎(ウニクス高崎2階)、前橋(けやきウオーク前橋2階)、深谷(アリオ深谷1階)、鴻巣(ウニクス鴻巣2階)、足利(コムファースト2階)、古河(イオン古河店2階)、越谷(ミスターマックス2階)、春日部(ララガーデン3階)、武蔵小杉(イトーヨーカドー武蔵小杉店5階)、羽田(マルエツ新糀谷店3階)、五反田(ゆうぽうと)、茅ヶ崎(茅ヶ崎トラストビル3階)、新潟(新潟駅前第5マルカビル)、長岡(イトーヨーカドー長岡店7階)などのカルチャーセンターにおいて「心理カウンセラー養成講座」開講。

2012年1月11日 (水)

自殺者3万人を超える

1月11日付けの新聞によれば、昨年一年間の自殺者は3万人を超えた。自殺願望者はその何十倍、何百倍にも及ぶに違いない。自殺寸前で思いとどまったクライエントによれば、誰も話を聞いてくれなかった、と口々に言う。「将来のことを考えて何になる、その前に今の自分を見つめろ」と言われたという。つまりは聞く相手を間違えたということだ。話を聞くことの大切さを、クライエントを通して痛感している。しかし、聞いてくれる人も、施設も不足しているのが現状だ。
 現在、私は、日本ラカン精神分析学会を組織し、聞く方法、心構えを伝えながら、人材の育成につとめている。聞いてもらうことで生きる望みを得た、あるいは、聞いてもらえなかったからこそ、みずからが「聞く人」になるのだという方が一人でもいたら参加していただきたいと思い、活動を続けている。
活動の一環として、熊谷カルチャーセンター(イオン熊谷店3階)において、2月12日(日)から(無料体験講座は1月22日(日))「心理カウンセラー養成講座」が開講されます。くわしくは、熊谷カルチャセンター(イオン熊谷店3階)電話048-599-0322(代)までお問い合わせください。
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2012年1月 3日 (火)

愛着

愛着とは、対象に向かう愛のエネルギーのことだ。モノへの愛着、人への愛着は、自分以外の対象物に、自分の気持ちが向かっていくこと。つまり関心を持つことだ。そのエネルギーの源はどこから来るのだろうか。それは、自分がひとから必要とされた経験である。自分は他者から愛されている、求められている、尊重されているという経験が、相手への愛を生み出す。些細なことでも、自分の行為が認められ、ほめられることで、自分はここにいてもいいのだという、自己承認を得ることができる。これが自体愛だ。自分のことが好きになれば、自分を必要としてくれた相手への愛の心が生まれる。ひいては、知識の定着、職場への定着、地域への愛、国家への愛、人類への愛・・・へと連鎖していく。
 「自分はここにいる」とは、母に抱かれた体験である。

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