SL
埼玉県熊谷駅からSLが秩父線の線路を走っており、毎週末は家族連れや、鉄道ファンで駅はにぎわっている。実際に乗ってみると、機関車を除けば、客車内の静けさはこの上もない。石炭を燃やす匂いが、いかにもという雰囲気である。
人はときに、静けさの中に身を置くのもよいのではないだろうか。都会では、目にまぶしい電飾の光と、スピーカーから流れでてくる膨大な情報の洪水が渦を巻いている。そうした日常からちょっと外れて、あらゆる情報から遮断されることも、精神にとって必要ではないだろうか。
子育て中のお母さん方は、養育の手引書や、周囲の人たちからの情報や経験談に振り回されて、いっとき育児うつになるという。何が正しく、何が正しくないのかさえ分からないまま、気まぐれな対応をしている自分に気がつくと言う。適切な対応をしっかりと身につけて子どもたちに接することが大切であろう。SLの客車内の静けさと同様、ゆったりとした育児をしていただきたいものである。