まなざし
まなざしには、温かなまなざしと、睨むまなざしとがあるだろう。人が普段それに気づくことは少ないが、他者に出会った時に、まなざしの違いに気づかされることがある。温かなまなざしの人とは、当然楽しい会話ができるだろう。反対に、睨んでくる相手とは目を合わせたくないというのが人情だ。その違いは何なのか。睨む人は、睨まれ続けてきた人ということが考えられる。反対に、温かなまなざしの中で暮らした人は、相手を温かなまなざしで見ることになる。この循環の中で、にらまれた人は相手を威嚇し、温かなまなざしをかけられた人は温かなまなざしを、世代から世代に受け継いでいくことになるのだ。そう考えると、今の自分のまなざしは、誰かのコピーであり、それは確実に誰かにコピーされていくのである。
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