体の声
朝起きるとき、心の声が聞こえる。その声の内容は、今日もやるぞ、この日がきたな・・といったものだろうか、それとも、また朝が来てしまった、とか、いかなくちゃ、なのだろうか。その声に耳を傾ければよいが、声を無視して起き上がったとたんに、腰が痛くなったりする。家族のため、会社のため・・。そんな声の大合唱のかげで、本当の声はかき消されてしまう。誰だって会社のポストがなくなるのは死活問題だ。体にむちうって行かざるをえない。悩みはこうした大合唱のかげに身をひそめながら、こっそり、それとは知られない形で生き延びているのである。見えるようで見えないお化けみたいである。
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