感想
雨が降れば不満を言い、晴天が続けばこれまた不満を言い続けるのが私たちではないか。そうした不満は心のなかにためておけばやがて鬱積して体の不調につながることになる。それらを誰かに聞いてもらいたいとも思っている。ところが聞かされる側はあまりよい気持ちにはならないのが普通である。話す側は感想を言っているだけでも、聞く側は、「しかたないじゃないか、梅雨だから」とか、「私に何が言いたいの?」などと返したくなるのも人情だ。言う側は言いたい、聞く側は聞きたくない、こうしたすれ違いのなかで互いが暮らしている。