思い遣り
思い遣りとは、相手の立場に立って考えること、と辞典にはある。これを実行することは難しい。思い遣りの起源は養育期間にさかのぼる。赤ちゃんが泣けば、母は赤ちゃんが何を要求しているのか、想像力を総動員して対応する。この時代の要求は生理的要求が多く、授乳・おむつの取り換え・抱っこ・あやす…という体の要求を満たしてあげることが基本。ところが、言葉を覚え始めたころから、それだけでは済まなくなる。それが母子の葛藤の開始である。要求にどれだけ応えればよいのか、敏速・適格に応えることが思い遣りの基本と言えるのである。