特別
人にはその人だけが持っている特別なモノがある。それは人とは較べることもできず、滅多に手にすることのできないモノでもある。黙って持っていればいい、というモノではなく、やはり他人にも認めてもらいたいとも思っているものでもある。何かのときに、他人がそのことに触れてくれたりしたときには、よくぞ聞いてくれたと快哉を叫びたくなるようなモノでもある。ところが、それについて語り始めた瞬間に相手の顔が曇り始めるころには、そのモノの輝きが薄らいでいく。それはいったい何故なのだろうか。不思議といえば不思議である。その不思議さこそがモノの魅力といえばそうなのかもしれない。