幻想
私たちは幻想を抱きながら生きている。この服を着たらどんな風に人の目に映るだろう。このメニューを注文したら美味が味わえるはずだ・・といった具合にである。それは未来への期待であると同時に、自分への信頼でもある。もしそれがなかったら、私たちの生活は何も生み出せず、何も考えられなくなるに違いない。たとえその服が似合わなかった、とか、美味でなかったとしてもである。そしてそれが未来への期待に繋がるからである。こうして私たちは未来へ自分の期待を先延ばししながら生きている。それが長生きのコツなのかもしれない。