夢かうつつか(3)
人は言葉に酔ってしまう傾向がある。私などは特にそうだ。レストランの壁に「当店オリジナルドレッシング○○円」と貼ってあると、まず文字にうっとりしてしまう。次に、長い時間をかけて開発された品に違いないと想像力が働く。うっとりしている私の目の先の厨房では、何種類かの液体をペットボトルに入れて上下に激しく振っているのを見た頃には現実世界にすっかり引き戻されている。綺麗な瓶に収まっている液体の向こうにペットボトルの影が見え隠れする。私はいったいどの世界にいるのか。
« 夢かうつつか(2) | トップページ | 常識 »