手に入れる
欲しいものが手に入ったときの喜びはたとえようもない。それがボールペンの詰め替え用インクであったとしてもだ。ご機嫌顔がしばらく続くのが、カートリッジのせいなのか、探しだしてくれた店員の親切さによるものなのか、はたまた、昨日の嬉しいできごとの余韻が下敷きにあるからなのか、あるいは干天に慈雨のごとく、不運が続いたあとに訪れたがための錯覚なのかは定かではない。それはもしかすると手のひらにちょこんと載せられた程度の、ちっちゃな幸せに過ぎないのかもしれない。
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