語ることと聞くこと
語ることと聞くこと、どちらが難しいか。語るためには準備が必要だ。これを語り、次にこちらを…といったあんばいに組み立てる。いざその段になったら一気に放流させていく。一方聞くことはどうか。聞く側は準備できない。こんな内容かな、といった漠然たる心構えくらいなものだ。相手の話についていかないとならない。語り手の口調や性格、あちらに飛びこちらに飛躍し、逡巡しときに口ごもり、専門用語やカタカナ語などが次々飛び出してくるから大変だ。昔話のように聞き慣れている話の方が聞きやすいのかもしれない。