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私たち人間は言葉の豊かさ・綺麗さにひかれる。「太った男は赤いイスにすわった」というより、「男は深紅のソファーにその大きな体躯を深々と沈めた」と文章で読む方が、かつて若者たちが本屋の店頭で奪い合うほどだった、大藪春彦のハードボイルド小説みたいに感じることになるだろう。そう考えると、グルメ記事や旅行記事なんかもちょっと盛った表現の方が、私たちの想像力を掻き立てるのかもしれない。もし毎日がハードボイルド的だったとしたら、それはそれで苦労するかもしれないが…