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2021年11月の30件の記事

2021年11月30日 (火)

目先

私たちは幼いころから比較されて生きてきた。生まれたときの体重はもちろん、髪の毛の色や目の大きさなど全部だ。それらの差が将来の人間に影響するかのようにである。大きくなってしまえば、食べた量の多い、少ないの差などないに等しいのだ。それらはすべて目先のことにすぎない。感想にしか過ぎない言葉と知りつつ、その言葉を言われたママさんは気にするだろう。そして、物心ついた子供にそれらの言葉は伝承されていく。こうして私たちは、生まれた直後から比較の世界に身を置くようになったのである。

2021年11月29日 (月)

陰と陽

地球に昼と夜があるように、人生にも陰と陽がある。苦しいことと楽しいこと、うまく行くときとそうでないとき…みなそうだ。もしうまく行くときだけだったとしたら、その楽しみはきっと半減するに違いない。楽しい、楽しくない、進む、進まないはきっと心が決めているのかもしれない。すべては受け取り方なのである。

2021年11月28日 (日)

悩む

人生とは悩みである。買う、買わないで悩み、買えば買ったで悩み、買わなくて悩み、満足など束の間のことにすぎない。それは欲望がある証拠である。欲望がなければ悩まないからだ。それでは生きたことにならない。すなわち悩みとは人生そのものということができる。

2021年11月27日 (土)

会話

私たちはいつも会話している。頭の中の自分と。三人が頭の中にいるらしい。一人がこう言う。遊びに行こうか、と。そこにもう一人がこうつぶやく。そんなことでよいのか、と。さらに別の一人が仲立ちをしてくる。今週はとりあえず頑張り、来週末に遊びに行くことにしよう、などとわけ知り顔でもの申す。この一言が最初の二人を説得させたのだ。三人のうちどの一人が欠けても遊びには行かない。この会話を成立させているものは何か。

2021年11月26日 (金)

質問とは何か

質問とは信頼である。こちらの質問に必ず答えてくれる、という相手への信頼である。質問に答える場合、相手がどんな答えを期待しているか考えることが重要である。それを瞬時に考え、文章を組み立て、相手の立場に合わせて答えることが求められる。わかりにくいと言われた場合は、角度を変えて説明を重ねる。彫刻家が対象物を手先でクルクル回転させながら彫り進めていくようにである。質問はどんな角度からされるか分からない。特に子供たちはそうだ。それにこたえる父と母は大変である。経験談などは答えの参考にはなりにくいかもしれない。答え方の基本となるものは何か。それは一貫した理論である。理論に照らし合わせることでのみ、どんな質問にも答えられるはずである。

2021年11月25日 (木)

約束

約束とは未来への期待である。店や人などと、月日・時間の約束を取り交わした時点で、人は未来に生きている。未来を生きるとは、約束事をたくさん持つことである。失望している暇などない。つぎつぎと約束事を取り交わしていくことである。来年のカレンダーにはどんな約束事を書き込んでいこうか。未来の自分と出会うために。

2021年11月24日 (水)

制限

私たちはいろいろな制限のなかで生活している。あれはだめこれはだめ…そのことにほとんど麻痺しているのが現実だ。人と人とがスムースに生活するためにもうけられたのが道徳・倫理・常識だからだ。会合には出るべきだ、挨拶はすべきだ…尾瀬ヶ原を歩いた人がすれ違うたびに何百人と挨拶したことか、と述懐していた。自然に触れに行ったのに人と触れに行ったようなものだと。しなければ非常識と思われることだろう。その点、制限されること違和感を覚える人はある意味で正常かもしれない。どちらが常識的でどちらが非常識なのか。

2021年11月23日 (火)

われわれの目はすごい。どんな暗いところでも見える点、カメラの比ではない。雨でも風が吹いても平気だから全天候型でもある。見えないときは手さぐりという援護の手もある。想像でも補うことが可能だ。ものよりもっと見えにくいものがある。それが心だ。そんな人の心を知る方法をフロイトやラカンがわれわれに教えてくれた。

2021年11月22日 (月)

惜しくなる

普段使わなくて放っておいたものも、人にあげることになると急に惜しくなることがある。長い間スキーに一度も行ってないのに、倉庫の奥から出てきたこだわりのスキー板を隣家の人にあげますと見せたとたんに相手の目が輝きだした。あげることになった。ボロボロかと思っていた板が錆一つなく保存されていたのだ。板がきれいだったのか、相手の目が輝いていたからそう見えたのか、未だに定かではないが。

2021年11月21日 (日)

価値

机の引き出しの中には用もないと思われるものであふれかえっている。ボールペンの替え芯などは、軽くて細く邪魔にはならないが何かの間に混ざっていたりする。ところがいざ替え芯がない、などというときこの邪魔者の価値が一気に高まるのだ。輝いて見えるほどである。私たちの価値もいついかなる時に発揮されるのか。自分の価値はいったい何なのか、それが見つかったとき、人はきっと一層の輝きを増すことだろう。

2021年11月20日 (土)

ちょっとしたこと

赤ん坊はおなかがいっぱいで、抱っこもされておむつも替えたのにむずがることがある。その原因は、服の間に紛れ込んだ小さなピンか何かかもしれない。そんなちょっとしたことにも傷つきやすいのが私たち人間である。人は、そんなことぐらいで…などと言うが本人にとっては重大なことだってある。その人の気持ちに寄り添うとは、その人の言葉のレベルに合わせることなのである。

2021年11月19日 (金)

消滅

あれほど欲しいと思っていたものが手に入れたとたんそのものに対する欲望は消えてしまう。欲望を生かせておくためには手に入れないことだ。それではいつまでも不満は残る。こうして私たちは手に入れる・入れないの間で指をくわえ続けていくことだろう。

2021年11月18日 (木)

欲しい

欲しいと思うモノはすべて無意識である。7歳の男の子が3歳用のおもちゃが欲しいと激しくせがむので買ってあげてから両親が気がついた。この子には7つ歳上の男の子がいて、物心ついた頃には年長の子供用のおもちゃしかなかったのである。すなわちそれ以前の子供用のものであそんではおらず、手にしないかぎりは卒業しないものだったのである。このように欲望のすべては無意識になっているので自分でもその訳がわからない。それでも欲しいものは欲しいと感じてはいる。その不満を満足にすることで次の段階に進むことができるのである。その時代にはその時代のことを満喫することが必要なのである。

2021年11月17日 (水)

不安

私たちの毎日は不安の連続だ。曲芸の玉乗りのように毎日人間は揺れっぱなしである。玉乗りも自転車も停まれば乗員は落ちるから、揺れているのは正常なのである。不安だから備えたり知恵を絞ったりするとも言える。安定を目指しつつ揺れているのが日常だとすると、いつになれば安定した日がくるのだろうか。

2021年11月16日 (火)

聞く

私たちの耳はすべての音や声を聞いているわけではない。必ずいくつかの音や声を犠牲にしている。もしすべてを聞いていたら頭のなかが音であふれてしまうだろう。耳に選択能力があることの証拠である。だから人はしばしば人の要望や報告を聞き流している。言ったはずなのに聞いてない、約束を忘れているなどと言われてしまうことになる。人は自分に都合の良い音や声だけを聞いているのかもしれない。

2021年11月15日 (月)

答え

質問に対する答えはおそらく人や物の数だけあるだろう。セーターが似合うかどうか聞かれれば、こちらの感想を言うだけである。他の店に行けばまた違ったテイストのものを試着して感想を述べるように求められるだろう。そのとき再度こちらの想いを言う、それだけである。いかにも変、と思われるもの以外はたいてい似合うものである。その中でそのセーターが似合うという根拠を示せればそのものの価値は一層引き立つのだ。他を廃し特定の一点に絞り込む能力を選択能力と呼んでいる。

2021年11月14日 (日)

反省

友達と会話などをした後になって、「あんなことを言わなければよかった」などと思うことはないだろうか。もう間に合わないと知りつつ、いつまでも尾を引いてしまったりするそれである。どうしてそんなことが起きるのかといえば、それは無意識のなせるわざだからである。語り言葉は無意識。これを話してからこちらを話して…という準備ができないまま口をついてくるのが無意識。思ってもいないことを言ってしまったのではなく、普段からそのことを実は思っていたのである。どうすれば反省することなく語り合えるだろうか。

2021年11月13日 (土)

知識

情報番組ではよくぞここまで調べたと思う情報が次々ともたらされている。その情報が自分が今知りたいと思っていたところにもたらされたとしたら、その情報は自分の脳裏にしっかりと刻み付けられるだろう。しかしそうした需要と供給はなかなか一致しないものだ。一致するときはどんなときか。それが質疑応答である。答える方は大変どころか、そんなやり取りを楽しんでいる節がある。打てば響くように答えがもたらされたとしたらさぞかし気持ちがいいだろう。どうしたら即答できるようになるのか。

2021年11月12日 (金)

正しい・正しくない

交差点に設置されたスピーカーがこう言っている。「自転車は降りて渡ってください。」この文章を正しく言ったとするととても長くなるに違いない。反対に文法的に正確に作成しようとすればするほど冗長になるばかりではなく、何を言っているかが分からなくなるだろう。だから自転車は降りて渡るのが正しいのだ。この文章の最初にしても、スピーカーが言っている、というのもおかしくなる。語り言葉と書き言葉との違い、私たちはとても難しい作業をやすやすとこなしているのである。

2021年11月11日 (木)

個性

私たちの心の中には、個性的でありたい気持ちと、目立ちたくない気持ちの半々がある。前者が自分の欲望で、後者は他人の目を気にしていることになる。私たちは自分と世間体の間に挟まれている存在である。

2021年11月10日 (水)

もっと

私たちは欲しいものが手に入ってもまた欲しくなる生き物である。買った後で新しい製品が欲しくなり、色ちがいが発売される度に以前買ったモノの輝きが失せたりする。モノというモノはぜんぶそうだ。そんな欲望がなくなったとしたら、私たちの存在はいったい残るのだろうか。

2021年11月 9日 (火)

復唱

何かの予約を入れるとき、店の人はこちらの言った日時を復唱する。それで私たちは安心を得る。嬉しくなる。同じことはカウンセリングでもある。クライエントの「引っ越ししたいです」の言葉に、こちらも「引っ越ししたいですね」、と同じ言葉を返した瞬間、クライエントの目が輝きを増す。それが復唱の効果である。自分の意志が強くなるからである。反対に動揺するときは、その意志がまだ固まっていないことを示している。クライエントは自分を客観的に知るのである。それが自己確立である。立ち位置が確定しても自己確立、定まっていなくても、定まっていない自己が確立されるからである。そのとき自分は自分自身に出会うのである。

2021年11月 8日 (月)

昔のこと

昔のことはよく憶えている。果たしてそうだろうか。憶えていることは悲しいことやバカにされたことばかり。膨大な経験の大半は消え去り、ろくでもないことだけはしっかり憶えている。それだけではない。それらが現在の生活態度や行動、言動を仕切っている、と言ったら多くの方が反論するに違いない。職業選択や結婚相手の選択などもそれに含まれる。自分自身の存在など何かの力であっけなく吹き飛ばされ、自分以外の何者かによって支配されているのである。それが無意識である。

2021年11月 7日 (日)

意味

足という身体部位には、走る、蹴る、歩くなどの意味があり、総合すると、「支える」という意味が存在する。足が痛くなるとは、支えがなくなるとか、危うくなるという心の訴えが隠されていることになる。同じように喉、肩、耳の痛みにも意味が隠されている。つまり身体部位から意味を読み取ることができるというのがラカンの理論である。言葉で心の叫びを表出できない場合、私たちは身体の痛みを使って訴えているのだ。その言葉が読み取れたら私たちはもっと幸せになれるに違いない。

2021年11月 6日 (土)

気温

気温の変化にわれわれは敏感である。数度の差で着るものや飲み物・食事などにも変化を求めている。寒くなって鍋物を食べたり、ホット・コーヒーの注文が増えたりするのだろう。人間の体に備わっているセンサーの鋭敏さはすごい、と言いながら寒いのはつらいなどと贅沢を言っている。センサーへの感謝も忘れて…。

2021年11月 5日 (金)

カーペットの上に落ちているピンを見つけることができたらすごいことかもしれない。模様に紛れた数ミリのピンを見分ける能力をわれわれはもっている。それが備わっているからこそ私たちは危険から身を守ることができるのである。その起源は幼少時代にさかのぼる。最初誰に抱っこされても泣かなかった赤ちゃんが、ある日を境に母親以外の人に抱っこされて激しく泣き出すときがある。人見知りの始まりである。母と非母とを見分けた瞬間である。それが差を見分けるはじめだと誰が意識しているだろうか。

2021年11月 4日 (木)

食欲の秋

そうは言ってもことさら大食したわけでもない。食べるときにはいつも食べているし、食欲不振の人が秋になってもりもり食べるようなら万々歳である。食べるための口実とも思われない。そんな季節になりましたよ、というコマーシャルかもしれないのだ。そう考えると、スポーツの秋、芸術、旅行、読書…なんでもCMなのだろう。そんな掛け声も季節感を感じさせてくれる一種かもしれない。

2021年11月 3日 (水)

価値観

クルマの装備が豊富、という理由で手に入れても、その装備を利用していないということもあるのではないか。当初の価値観が変わったのである。私たちの価値もどんどん変わっていく。役職が上がって価値が生じた場合もあれば、その逆もあるだろう。たとえ上がったとしてもそのまた上の役職でどうなるかは不明である。それで苦しいようなら、その価値が自分の考える価値と合致していないのである。そのことになかなか気づけないかもしれない。いったい自分の本当の価値とは何なのだろうか。

2021年11月 2日 (火)

ピッタリ

靴箱から靴を出して玄関先に投げると気持ちが良い、という人がいる。行儀が悪いと知りつつやめられないともいう。人との会話がピッタリしないのではないですか?の質問に、彼は、全くその通りですと言う。ちょうどよい範囲が狭いのではないかと反省していた。守備範囲は狭からず、広からずが良いのである。

2021年11月 1日 (月)

齟齬

上下の歯がくいちがうことを言う。歯科医院での調整は100分の1単位での作業だという。削る音を聞かされるこちらも大変だが、歯科医師も大変だ。話が噛み合うとはじつは大変なことである。ちょっとした言い間違い、聞き違いで誤解が生じる。すなわち会話はいつも齟齬をきたしている。

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