忘れていること
私たちが忘れていること、それは全部といってよい。覚えていることなどほんの一部にしか過ぎない。忘れているけれど、そんなことはきっとあったに違いない、それを無意識と呼んでいる。日本語がそうだ。思い出しながら話しているわけではない。ときどき失言するのはそのせいである。いちいち思い出し検討を加えながら話していれば失言することはないはずだ。しぐさ、態度、悲しい記憶など全部が無意識になっている。それらを思い出していたら生活していけなくなるだろう。人間はほどよく記憶を喪失している。記憶力が悪いことは幸せなことかもしれない。そう思い込むことにしよう。
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