人は皆平等
太陽のもとで人はみな平等。そこには、老若男女の区別はない。同じ悩みを抱えているし、命令されながらの仕事は誰もが辛いし、いつも空腹を嘆いてもいる。一方で、服を見れば華やかな人がいたり、カップルが笑顔で自分のわきを通り過ぎていくのを目のあたりにすれば、うらやましく感じるのが人情。写真館のショーウィンドウには正装に身を包んだ家族が笑顔でプリントされていて、どんな仲良し家族なのかと想像させられてしまう。それが普通ではないか。新聞に目をやれば、人生相談の欄は、苦しみ、悲しみの言葉で埋め尽くされている。すべての人が喜びと悲しみの両方を背負っていることを知らされる。自分だけが不幸ではない、そういう知識が感情に追いつかない。太陽は今日もすべての人に満遍なく照らし続けている。