仲間内
仲間内ではお喋りができても、公の場ではからっきし喋べることができない、なんてこともある。喋り言葉と語り言葉とは違うのだ。喋り言葉には主語が不要だ。語り言葉には、「私はこう思う」とか、「あなたはこう感じているのですね」と言うように、私、あるいは他人をいったん第三者に置き換えて、私が「かくかくしかじかこう考えている」と、私を代理しなければならないのだ。私を他人として眺め代理してやる、こんなに難しい訓練をいつ、いかなるときに教わってきたのか。
仲間内ではお喋りができても、公の場ではからっきし喋べることができない、なんてこともある。喋り言葉と語り言葉とは違うのだ。喋り言葉には主語が不要だ。語り言葉には、「私はこう思う」とか、「あなたはこう感じているのですね」と言うように、私、あるいは他人をいったん第三者に置き換えて、私が「かくかくしかじかこう考えている」と、私を代理しなければならないのだ。私を他人として眺め代理してやる、こんなに難しい訓練をいつ、いかなるときに教わってきたのか。