« センサー | トップページ | 辞書 »
ことさら「感覚」を言葉で表わすのは難しい。「痒い」と言われてもその痒みが何を伝えようとしているのかわからない。身体的な症状が出ていないからだ。「痛痒い」、「ムズムズ」、「ヒリヒリ」、「チクチク」…それぞれ違った心の苦しみを言おうとしてしている。それを翻訳するのに欠かせないのがラカン理論である。それに照らし合わせてクライエントに、今あなたを苦しめているのはこういうことですね、と伝えると、その通りです!と答える。ラカン理論の適確さに改めて思い入る瞬間である。