無心
どこかに、「札幌」と書いてあれば、私たちは自動的に「さっぽろ」と発音する。同様に、「羽生」も何の疑いもなく読むだろう。道で人に会えば、「こんにちは」、夜になれば、「こんばんわ」…とてもスムースな対応をしている。ところが、「会社辞めたい」、「部活辞めたい」と人が言ったとき、素直に受け入れられる人はどれだけいるだろうか。ほとんどの場合、ゼイタク言うな、せっかく入ったのに、もったいない、などの言葉が語り手に浴びせられる。それは聞き手の価値基準を持ち出すからである。札幌をさっぽろと読むように、自動的に答える方法はないものだろうか。