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幼い兄弟が並んでイスに座っている。兄がジュースを飲んでいる。妹が自分にも飲ませろと泣いている。兄は手放さない。妹の気持ちはこうだ。兄の顔を見ると、よほど美味しいに違いない。私の口にも入るべきだ。兄の気持ちはこうだ。それほど切望するからには美味しいに違いない。こうして味そのものより、表情や声で美味しさを感じているのだ。味とはいったい何者なのか。