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人はどんなときに己が瞳に火を宿すのか。日頃遊惰な暮らしにうつつを抜かす中で、誰が灯したわけではない灯火が瞳の奥でともるのだ。それは未だ自分でも見出されぬ大儀がひそんでいたからだろうか。そしてそれはいつか。青二才のころのメラメラとした火なのか、あるいは日々繰り返されてきた任務から纜を解き放たれた瞬間なのか。灯される刹那は未だ謎である。