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繁華街に面した小綺麗な店に立ち寄った。すぐに店員が近寄ってきた。あちらに行けばあちらに、こちらに歩を進めればこちらに追従してくる。情緒纏綿たる風情だ。少々うるさい。すべての値札が裏返してあるのも店長の作戦と知りつつひっくり返すと、再び情緒纏綿がやってくる。服とセットになった自分の姿を鏡で見る。まったく似合わない。店員の顔に翳りが見え始めるころ、私は店をあとにした。