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訪いは突然であった。波形硝子の向こうに尖った口が見える。鳩だ。しばし凝結した鳩は思案の末、羽音を残して去って行った。こんな高所のしかもビルとビルの隙間までよく来れるものだ。それに比して人間は何をするにも、どこへ行くのも道具を必要とする。それがないと生きていけないかのような気もする。