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歴史、文化に関心があるのは、それらに根付いた暗さに由来するからだ。血塗られた歴史、葛藤の末に形作られた芸能、しきたり、所作…懊悩の上にそれらが成り立っていることにわれわれは無意識的に惹かれるのだ。古刹の柱に残された刀傷、何万の武士たちの血しぶきが泥塀のあちこちに染み込んでいることを密かに察知しながら見ているのだ。暗い根のもとに根付いた文化がわれわれの精神を形作っている。