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2024年11月11日 (月)

90に垂んとするその教師は、姿勢こそ少し前屈みにはなったものの、目も耳も喋りも矍鑠としていて、女性聴講生たちの尊敬の的であった。講義が終わると必ず2、3人の女性が尊敬する師匠に自らの肩をお貸しして車寄せまでよろける足替わりになって同行するのが常であった。あるとき、残るべき女性聴講生が一人もいなくなり、あとに残っているのは男の私だけになってしまった。私は機転をきかせて、師匠に私の肩をお貸ししようとした。その瞬間、尊敬する師匠は私の肩をはねのけてスタスタと歩いて行ってしまわれた。

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