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ちょっとした池や沼にはボートなどがしつらえてある。乗り移るには多少のコツと勇気がいる。そのときのボートのやみくもな動揺が、この世界の不安定についてのもっとも親しい感覚を呼び覚ましてくれる。池を一回りしたあと、陸地に足を届かせたときの安堵感はいかばかりであろう。大地の恵みどころではない例えようもない感覚にしばしひたるのである。