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百貨店の屋上からは見渡す限りのビルが建ち並んでいる。近くのビルは互いに櫛比して、昔の面影をいくばくか残している。遠くの方に目をやると、いまでは見ることの少なくなったアドバルーンがビル群の灰色に染まることが困難であるかのように丸い形を保っている。高すぎて人影は見えなかったが、アドバルーンの丸さだけが人懐っこいムードをあたりに放っていた。