« 集中 | トップページ | 友 »
能楽師は、人々の夢に成り変わろうとする人たちである。彼らは夢を追う必要などない。追われる立場であり、夢そのものだ。それだけではない。見る人の数だけ夢自体である。能楽師が面を被った時点で既に人々の夢を叶えている。それを支えるのが様式であろう。様式から一歩踏み外せば夢ではなくなる、そんな危うい世界を、人は夢と呼ぶのだろう。