相好
親戚のなかで唯一ピアノが弾けたために、婆やはこの最初の男の子である私にはほくほくと相好を崩した。暇に任せてピアノを弾いているといつの間にか杉並から来て勝手に家に上がりこんで私の後ろにちょこなんと座っていたのだった。婆やが亡くなってからピアノは未だに弾けない。
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親戚のなかで唯一ピアノが弾けたために、婆やはこの最初の男の子である私にはほくほくと相好を崩した。暇に任せてピアノを弾いているといつの間にか杉並から来て勝手に家に上がりこんで私の後ろにちょこなんと座っていたのだった。婆やが亡くなってからピアノは未だに弾けない。