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実家の階段下は開かずの部屋になっていて、両親の死去の際に一族郎党参集の上でご開帳の運びとなった。中は夥しいばかりの引き出しが積まれており、二代目当主が一段ずつ開けていくのだった。中のものはといえば手ぬぐいばかり。しばらくの間、この一族が手ぬぐいに不自由することはなかった。