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周りの上級生たちはみな話好きであった。私たち下級生はただそうですね、と頷いて聞いていればシゴカれずに済んだからである。「お前よ、牛は枯草ばかり喰ってるんだ。あんなもの喰えるか?喰えないだろ。そのおかげで俺たちは肉が喰えるんだ。」と、少し険のある目を私たちに注ぎながら果てることなくしゃべり続けるのだった。友だちは牛や草に興味がないらしく、私ひとりが相手をするのが常だった。そのお蔭で、人の話をひたすら聞けるようになった。もつべきはクセ強の先輩である。